失敗しないゴムの木の挿し木の方法

失敗しないゴムの木の挿し木の方法

ゴムの木とはウンベラータやアルテシマなど観葉植物の中でも人気がある種類です。フィカスなどとも呼ばれていて、フィカス = ゴムの木です。今回はゴムの木の挿し木についてお伝えします。品種によって多少の違いはあるのですが、概ね今回のやり方で問題ありません。個別の品種の挿し木のやり方についてはまたあらためてお伝えしようと思います。

挿し木のポイント

挿し木は、発根するまでの間でいかに植物中の水分を減らないようにするかがポイントです。気温が高いと発根が早いですが乾燥も早くなります。かといって気温が低いと発根が進まずその間に枯れてしまいます。気温がある程度高く、湿度を上げたり葉水をすることで乾燥を防ぐことで発根までの時間をかせぐイメージです。

挿し木の時期

寒い季節が終わってこれから暖かくなっていく時期が挿し木の適期です。沖縄だと2月〜3月頃ですが、本州だと4月〜6月頃がちょうどよいかと思います。ポイントの所でお伝えしたように、寒過ぎると発根が進まず、暑過ぎると発根する前に暑さでやられてしまいます。

※真夏の暑い時期でも湿度や温度を調整すると挿し木は可能です。早ければ1週間程度で発根することもあります。

準備するもの

  • ハサミ(切れ味のよいもの)
  • 手袋(樹液が付くので)
  • 植木鉢や育苗トレイ
  • 観葉植物用の土
  • 発根剤(オキシベロンなど)

ハサミ

ハサミは切れればなんでもよいのですが、家庭用は枝を切るのに向いていないので、園芸用を用意しましょう。ハサミはちゃんと手入れをして使いましょう。濡れたままにしたり樹液がついたままにしておくと錆ついてしまいます。

手袋

なくても剪定はできますが、ゴムの木は樹液が出るので手袋するとよいでしょう。ゴムの木の樹液は人によってはかぶれるそうです。

植木鉢や育苗トレイ

挿し木する数が少なければ余っている植木鉢などで十分です。数が多い場合は鉢をたくさん用意するより育苗トレイにまとめて挿し木をして、発根したら移し替えるとよいでしょう。

観葉植物の土

土はpHが中性で水捌けがよいものがオススメです。ホームセンターなどで観葉植物の土として販売されているものであればほとんど大丈夫です。

発根剤

これは必須ではありませんが、使用すると活着率があがります。オキシベロンやルートンなど、発根を促すホルモン剤タイプの発根剤がオススメです。生産の現場ではオキシベロンなどがよく使われます。

挿し木の手順

挿し穂を取ります

挿し穂は枝を剪定したタイミングで取るとよいでしょう。ゴムの木の剪定のオススメ時期は春〜夏ですので挿し木のタイミングとちょうど合います。

余計な葉っぱを落として長さを調整する

新芽近くの柔らかい葉っぱは切り取り、硬い古めの葉っぱを2枚ほど残してそれ以外の葉っぱは切り落としてください。新芽近くの柔らかい葉っぱを切り落とす理由は、成長が早いため、水分や栄養分を持っていってしまって挿し木が失敗しやすくなるためです。

ウンベラータなど葉っぱが大きい種類は、残した葉っぱを半分くらいに切ってください。そうすることで葉っぱの表面積を減らし、蒸散が抑えられます。

その後に長さを10cm程度に切ります。もっと長くても成功することはありますが、長くなるほど難しくなります。

水に1時間浸す(水あげ)

調整した枝を水に浸けます。時間は1時間〜3時間程度でよいです。生産の現場では半日漬けることが多いです。枝を切る前に木がしっかり水分を吸収していて、切ってすぐ水に漬けるなら30分〜1時間程度でも大丈夫です。この工程は枝の調整をする前に行っても大丈夫です。

発根剤に付ける

発根剤は必須ではありませんが、使用すると活着率(成功率)が上がります。挿し木した直後や苗が小さいうちは病気になりやすいので、殺菌剤も併用するのがオススメです。

土に挿す

挿し穂の半分程度を土に挿してください。後の水やりなどで挿し穂が動かないようにしっかりと挿すのがポイントです。ある程度密集させて挿すとお互いに支え合うので動きにくくなります。挿し木した直後にしっかりと水やりをします。

涼しい場所で管理する

挿し木したあとは直射日光の当たらない涼しい場所に置いてください。湿度が高い方が望ましいのですが、一般家庭ではコントロールできないと思いますのでこまめな葉水で代用します。

土は乾燥させるのはNGですが、加湿過ぎるのも根が痛む原因になります。涼しい場所で管理していれば、基本的には挿し木の時に水やりをしっかりやれば後は葉水だけで十分です。

肥料は入れない or マグアンプ

基本的には根っこがしっかり張るまでは肥料は与えません。根っこが弱い状態で肥料をやると根の生育が阻害される危険があるからです。ただし、マグアンプなどの一部の肥料は初めから与えても大丈夫です。これは根っこが出す酸に反応して肥料分が溶け出すタイプなので根焼けの心配なく使えます。マグアンプは生産の現場でも元肥として使われたりします。

根っこが出てきたら植え替え

根っこがある程度出てきたら必要に応じで植え替えを行ってください。鉢に1本だけ挿し木をしているのであれば根っこが完全にまわるまで植え替える必要はありません。育苗トレイなどにまとめて挿し木をしている場合はある程度の段階で個別に植え替えましょう。そのままにしておくと苗の根っこ同士が絡み合って分ける時に根っこを痛めることがあります。

まとめ

色々お伝えしましたが、ゴムの木は挿し木がしやすい種類ですので、あまり難しいことは考えずにまずはたくさん挿し木をしてみるのも良いかと思います。

挿し木は確率です。どれだけ上手くやってもなかなか100%上手くいくことはないですし、時期を間違えなければ0%というのも少ないです。たくさん挿し木をすればきっとその一部は上手く育ってくれると思います。

剪定する際にはぜひ挿し木にチャレンジして自分で増やす楽しみを味わってください。

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