フランスゴム

フランスゴム

植物名 フランスゴム
英名 rubiginosa
科・属 クワ科フィカス属
原産地 インド・スリランカ 東南アジア熱帯雨林気候区
栽培難易度 比較的簡単
耐寒性 8℃以上
耐暑性 高い
耐陰性 比較的高い
育て方のポイント フランスゴムは暗さに割と強い植物ですが、暗いと徒長しやすいので出来るだけ明るい場所に置くと綺麗な樹形が維持できます。

フィカス・フランスゴムの木はクワ科フィカス属(イチジク属)の観葉植物です。正式名称はフィカス・ルビギノサ(Ficus rubiginosa)ですが、日本ではフランスゴムという名前が浸透しています。フランスゴムの名前の由来はフランスの植物学者ルネ・デフォンテーヌ氏が発見したことがきっかけだそうです。フランスゴムは耐寒性も高く、福樹園で生産している観葉植物の中でもかなりオススメの品種です。

繊細な曲がりが魅力のフィカス・フランスゴム

フランスゴムの魅力は色んな曲がりが楽しめる点です。アルテシマやベンガレンシス、ウンベラータなどの他のフィカスの品種と比べると細くて曲げやすく、それでいて成長すると細い枝でもしっかり形をキープするので、繊細でオシャレな曲げが作りやすい観葉植物です。フランスゴムの葉っぱは人気の観葉植物であるガジュマルに似て濃い緑色の小さな丸い葉っぱをたくさん付けます。コンパクトにまとめることもフワっと自然な形に仕上げることも自在にできるので、作り手のセンスが活きる観葉植物と言えます。

花言葉は「永遠の幸せ」

フランスゴムの花言葉は「永遠の幸せ」、「すこやか」で贈り物にピッタリです。フランスゴムは耐陰性もあり育てやすく、また樹形が暴れないので邪魔にならないのも室内に置きやすいポイントです。室内で育てるのに向いていて永く楽しめる観葉植物ですので、お祝いでいただいた方も喜んでいただけると思います。

フランスゴムの育て方

置き場所

フランスゴムはある程度耐陰性はあるのですが、窓際など光のしっかり入る場所の方が元気に育ちます。たまに外に出す場合は昼間の直射日光には当てないように半日陰の場所に出して下さい。沖縄ではフランスゴムを夏も外に出して育てます。本来は沖縄の夏の日差しでも大丈夫なのですが、室内の暗さに慣れた葉っぱをいきなり外の強い日差しに当てるとダメージを与えてしまいます。

水やり

フランスゴムの水やりは控えめが安全です。同じフィカスの仲間であるアルテシマやウンベラータと比べても加湿に弱い傾向があります。

春・秋は、8日~11日を目安に土の表面が完全に乾いたら鉢底から抜けるほどのたっぷりの水を与えましょう。冬は生長が緩やかになるため、土の表面が完全に乾いて2~3日してからたっぷりと与えましょう。水やりのポイントは、季節によって頻度が変わりますが、与えるときは鉢底から出るくらいたっぷりと与えることです。

温度

フランスゴムはフィカスの中でもかなり耐寒性があります。大阪の外で冬を越えた報告があり、-5℃程度までは耐えた実績があります。ただし、植物の状態や事前に寒さに慣らしているかどうかも影響しますので、最低2℃、できれば5℃以上を保つのが安全です。

寒さに慣らすとは?

フランスゴムの生産はビニールハウスの暖かい環境で行っています。さらに沖縄産だと暑さに慣れて寒さは経験していないため、購入した段階では寒さに慣れていません。これが原因で初めての冬は葉落ちすることが多いです。2年目以降になると環境にも慣れてくるのでフランスゴム本来の耐寒性が付いてきます。ただし、暖房の効いた室内でずっと管理していると耐寒性は付かないのでいきなり寒い外に出すのはやめましょう。

肥料

肥料は強すぎると根焼けする危険性があるため、ロングタイプや緩効性と言われるような長く少しずつ効くタイプの肥料がオススメです。特にフランスゴムはフィカスの中ではそこまで根っこが強い植物ではありませんので、肥料は少なめでも大丈夫です。春、夏、秋にそれぞれ1回ずつ緩効性肥料を土の上に置いてあげてください。

即効性の肥料は危険

液体肥料などの即効性の肥料は、与え過ぎると根っこを痛める原因になったりします。植物の管理が得意な方は別ですが、慣れないうちはロングタイプの肥料を使う方が安全です。

根っこが痛んでいる時は「活力剤」

フランスゴムに限らず、どのような観葉植物でも根っこが痛んでいる時に肥料を与えないでください。根っこが傷んだ状態で肥料を与えると余計にダメージを与えてしまいます。根っこが痛む原因は植え替えで根っこを崩したり、水やりの加減を間違えて根腐れを起こしたりといろいろ考えられます。根っこが痛んだ時には肥料の代わりにメネデールなどの活力剤を与えてください。

フランスゴムの仕立て直し

植え替え

フランスゴムの植え替えは土を崩すかどうかで難易度が変わります。土を崩さずそのまま大きな鉢に植え替える場合は、時期を選ばず夏でも冬でも可能です。土を入れ替えるなど元々あった土を崩す場合は根にダメージがありますので難易度が上がります。植え替え時期は春に行い、植え替えた後は直射日光に当てずに涼しい場所で管理してください。植え替え直後は肥料は与えてはダメです。代わりに活力剤をあたえましょう。

土を崩して植え替える

フランスゴムはフィカスの中では根っこの成長が遅い植物です。土を崩す植え替えは慎重に行ってください。土を崩して植え替える必要があるのは主に古い土を入れ替える場合と古い根っこを整理する場合です。

悪い土を入れ替える

観葉植物の土は長い期間たつと、しだいに泥のようになっていきます。受け皿などに水をためて管理していると余計になりやすいです。泥のようになった土は水はけが悪くなり、根っこが痛む原因になります。その場合には悪くなった土を入れ替えてあげることでまた元気な根っこが出てきます。土を入れ替える植え替えは春におこってください。全ての土を入れ替える必要はありません。全体の1/3〜1/2程度入れ替えれば十分です。全ての土を入れ替えるのは枯らしてしまうリスクも増えるので危険です。古い土は手で優しくほぐすように落としてください。出来るだけ根っこを切らないようにするのがポイントです。植え替え後は根っこが痛んでいますので、水やりを控えめにしてください。肥料は与えずメネデールなどの活力剤を与えましょう。

古い根を整理する

古い根っこの整理は、相当に根詰まりを起こしているのでなければわざわざやる必要はありません。そもそもフランスゴムはそこまでガッチリとは根っこが張りづらいのもありますので、古い土を入れ替える時に気になればついでに取り除くくらいで大丈夫です。古い根っこを取り除くためだけに土を崩すのは、リスクもあるのであまりオススメしません。

土を崩さないで植え替える

土を崩さず大きな鉢に植え替えるのであれば根っこにダメージがないので、いつでも植え替えをしても大丈夫です。ただし、冬は根っこに寒さが当たる可能性があるのと、そもそも冬はフランスゴムの根っこが成長しない時期なので植え替えるタイミングとしては適していないので、できれば避けた方が無難です。

冬以外はいつでも安心して植え替えして大丈夫です。植え替え後はすぐに肥料を与えても大丈夫です。水やりも通常と同じで構いません。

フランスゴムの剪定

フランスゴムは剪定が簡単な植物です。剪定の時期は春から秋ごろまで可能ですが暑い時期の方が成長が早いので夏頃がオススメです。事前に肥料を与えたり明るいところで管理するなどして植物の力を付けてあげると仕上がりが良くなります。フランスゴムは芽吹きが良い植物で、株に力があれば葉っぱが付いていない枝でもしっかり芽吹くので、葉っぱのある無しに関係なく剪定(せんてい)することができます。ただし、これから寒くなる時期だとできるだけ葉っぱを残すように剪定(せんてい)した方が安全です。

剪定の方法

それぞれ枝の付け根から5〜10cmあたりを切っていってください。葉っぱがたくさん付いているのであれば1つの枝に対して3〜4枚程度に減らすと芽吹きが良くなります。

フランスゴムはフィカスの仲間なので、切った所から白い樹液が出ます。樹液は付くと取れにくくなるので、皮膚や衣服に付かないように気を付けてください。もし付いた場合はすぐに濡れたタオルなどで拭き取ってください。

フランスゴムに出る病害虫

アリ

アリはどんな観葉植物にも発生することがあります。周辺をきれいにしてアリの餌になるものがないようにしましょう。アリの巣コロリなどを鉢の近くに置くのも有効です。

カイガラムシ

カイガラムシの成虫は硬い殻に覆われて薬剤が効きにくくなります。見つけたら歯ブラシなどでこすって落としてください。風通しが悪かったりホコリっぽいと発生しやすくなるので、環境を改善して予防しましょう。

ハダニ

フランスゴムにはそこまで付きやすい訳ではありませんが、一応気をつけた方がよいです。ハダニは乾燥していると発生しやすくなるので、定期的に葉水をしてあげると発生を抑えることができます。

フランスゴムを育てる上での注意点

急に葉落ちすることがある

環境の変化が原因ならいずれ落ち着きます

フランスゴムは環境が変化したときに葉っぱが落ちることがあります。多くの場合は全体の1〜2割程度、古い葉っぱから落ちます。この現象はベンジャミンなど他のフィカス系で小さい葉っぱがたくさん付く種類の植物によく見られます。いきなり葉っぱが落ちるとビックリすると思いますが、生理現象ですので心配しなくて大丈夫です。環境になれると落ちなくなっていきます。

根っこが痛んでいる可能性もあります

ただし、葉っぱが半分以上落ちるようですと何か他の原因の可能性があります。フランスゴムは根っこが痛んでいた時に症状が遅れて表面かすることがあります。例えば何かしらの原因で根っこが傷んだ後、1ヶ月ほどして急に葉っぱが一気に落ちたりします。見極めは難しいですが、その場合は水やりを控えめにするなどして養生する必要があります。ある程度明るく、涼しい場所で管理し、肥料ではなく活力剤を与えて様子を見てください。

フランスゴムの増やし方は主に挿し木

フランスゴムの挿し木

フランスゴムの挿し木は春先に行ってください。暑い時期もできなくはないですが、成功率は落ちます。挿し穂は茶色く木質化した部分を使います。緑色の新芽の部分は挿し木に向きません。さらに、柔らかい葉っぱが付いた枝は避けて固めの葉っぱがついた枝を選んでください。

挿し穂は成長点から10cmくらいの長さでカットしてください。硬い葉っぱを1〜2枚だけ残し、残りは切り落とします。新芽の柔らかい葉っぱを付けたままにすると成功率が落ちるので必ず落としてください。

観葉植物の土に5cmほどの深さで挿します。涼しくて風通しのよい場所で管理し、土への水やりは土が完全に乾燥しない程度に控えめにします。定期的に霧吹きで葉水をし、湿度のある状態を保つのがコツです。早ければ2〜3週間ほどで根っこが出てきます。

フランスゴムの取り木

取り木だと大きめな枝でも形を保ったまま移植ができます。大きめの枝の移植は取り木でしかできません。取り木は、根っこを出したい位置の幹の皮を剥がして濡らした水苔で巻きます。皮を剥がした所に発根剤をスプレーすると根っこがでやすくなります。さらに水苔ごとアルミホイルなどで巻きます。

夏場だと1〜2ヶ月もすると根っこが出てきます。発根した場所の少し下から切って観葉植物の土に植え込みます。葉っぱは付けたままで大丈夫です。取り木はできるだけ暑い時期に行ってください。暑い方が発根が早いので短い期間でできます。挿し木より手間がかかりますが、成功率は格段に上がりますのでぜひチャレンジてみてください。

まとめ

見た目のかわいさも魅力ですが、耐寒性が高めというのもポイントが高いですね。-5℃で越冬したという実績もありますので室内であれば寒さが原因で枯れることは少ないでしょう。ただし、その強さも根っこがしっかりしていればこそです。フランスゴムは他のフィカスの観葉植物よりも根っこの成長が遅いので、最初にしっかりした丈夫な株を購入することが重要です。

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